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闇営業問題に潜む5つの問題!その対応策とは?

6月頃から世間を騒がせている闇営業問題

所属会社を通さずに、反社会的勢力のパーティで営業を行ったとして、吉本興業から契約を解消された芸人2人が記者会見を開き、話題となっています。

この「闇営業」問題ですが、私は、問題は1つではなく、さまざまな問題が絡み合っていると見ています。

組織の話、お金の話、心の話…。

今回は、この「闇営業」の問題を、5つの問題に分解して整理していきたいと思います。

①法人と個人の契約の問題


一般的に、所属会社を通さずに仕事をすることを「直営業」と呼んでいます。

会社員が株式投資や不動産投資などの副業をすることも、ある意味、「直営業」となります。

私は自分で法人を立ち上げていますが、個人事業主として「直営業」することもあります。

ただし、法人と個人を使い分けるのは、非常に難しいです。

参考:法人・個人の税金の仕組みの違い…両者を使い分ける究極の二刀流とは?

このため、ルールさえ守っていれば、直営業をすること自体は、何も悪いことはありません。

今回は、たまたま、その営業先が反社会的勢力だったということで、「闇営業」と呼ばれているに過ぎません。

まずは、ここを押さえておいていただければと思います。

副業禁止の会社であれば、勝手に副業をしてバレれば、何らかのペナルティを受けることになります。

ただ、吉本興業は、若手のギャラも安く、明確に副業禁止とはなっていなかったようです。

直営業をしないと、生活できない芸人が山のように存在しているのが実態です。

時代の流れとしては、同様に、会社員も給料が安いため、副業が解禁され始めてきています。

副業容認の会社であれば、副業(直営業)は悪いことではないのです。

国としては、年金で面倒も見れないので、自分で稼ぐ力を身につけてくれという流れに方向転換しています。

参考:老後に2000万円必要と金融庁が公表…人生100年時代に私たちがすべきこととは?

もちろん、本業の情報をもらさないことであるとか、社会的なルールに反しない仕事であることが前提ですが…。

今回の騒動について言えば、芸人は、すべて吉本興業(法人)に所属しているのだと勘違いしていた人も多いのではないでしょうか。

実際のところ、芸人は、個人事業主(もしくはプライベート法人)として、吉本興業と契約を交わしているに過ぎないのです。

芸人は、吉本興業の労働者ではなく、あくまでビジネス上のパートナーだったのです。

しかも、書面はおろか、口頭でも、契約内容は明らかにされていないとかなんとか…。

これは明確な罪ではないのかもしれませんが、コンプライアンス上、互いに、改善の余地があると思われます。

②反社会的勢力との付き合いの問題


直営業の結果、芸人はギャラを手にします。

今回は、そのギャラが、詐欺グループが悪いことをして手に入れた汚いお金であることが問題となっています。

詐欺被害者からしてみても、自分のお金が、たとえ間接的とはいえ、芸人の財布に渡っていると分かれば、心中、穏やかではないでしょう。

この点については、芸人2名の記者会見でも、2人は十分反省しているように見えました。

ただ、友人の結婚式に出席したり、写真を撮られたりすることは誰でも経験する話です。

たまたま出席したパーティが、会場に到着後、反社会的勢力の集まりだと分かったとしても、普通はそのまま引き返せないですよね…。

ここが、直営業のリスクだと思っています。

法人を通すよりも、ハイリターンを得られる分、リスクも伴うのです。

ここは自己責任とするか、きちんとしたチェック機関を設け、対応するのが筋だと思われます。

③税務申告の問題


税金の話もしておきましょう。

会社員が副業する場合、副業収入から副業経費を差し引いた設け(「雑所得」と言います。)が20万円を超えると、確定申告が必要となります。

今回の芸人の問題について言えば、個々人でギャラ(雑所得)の金額は異なると思います。

しかし、100万円とか50万円という金額を複数回もらっていたのであれば、これは個人の確定申告の対象となります。

個人ではなく法人成りをしている人でも税務申告の修正が必要となるでしょう。

たとえ少額であったとしても、脱税はルール違反です。

知らなかった場合でも、後で追加で税金を支払うことになるので、税金はルールに従ってきちんと支払うようにしましょう。

④人間性(保身・ウソ)の問題


記者会見をした芸人2名は、最初の頃は、事の重大さを重く受け止めてなかったようです。

自己保身のため、受け取っていたギャラを「受け取っていなかった」とウソをつきました。

この点については、芸人本人に責任があるでしょう。

しかし、時間の経過とともに、2名は、きちんと正直な思いを伝えたい、記者会見をしたいという気持ちになってきたようです。

早い段階で、正直に話していれば、ここまで大きな問題にはならなかったかもしれません。

記者会見のコメントにもありましたが、

「悪いことをしたらきちんと謝る。それを止めるのが親ではない。」

まさにその通りだと思います。

⑤組織(パワハラ)の問題


今回の記者会見を見ていると、ふと、昨年の日大アメフト問題の反則タックルをした青年の会見を思い出しました。

本人のやらかしたことは重大ですが、実際は、何か大きなもの(組織)による圧力がうごめいていた…。

森友問題加計問題ジャニーズ問題もすべて同じにおいがします。

芸人2名の保身によるウソもそうですが、巨大組織である吉本興業も保身に走ったようです。

なんと、誠意ある謝罪会見の開催は、巨大組織により、ストップされていたのです。

今のご時世、

「録音してないな?」「クビにするぞ!」

などといったセリフをよく言えたものです。

5つの問題に見る対応策


以上、5つの問題を振り返ってみましょう。

①法人と個人の契約の問題
②反社会的勢力との付き合いの問題
③税務申告の問題
④人間性(保身・ウソ)の問題
⑤組織(パワハラ)の問題

まず、責任の所在について言及しましょう。

○:悪くない
△:改善の余地あり
×:かなり問題

①吉本興業=△、芸人=△(ビジネス上、お互い、きちんと契約をする)
②吉本興業=○、芸人=×(自己責任で動くときには営業先をきちんとチェックする)
③吉本興業=○、芸人=×(支払うべき税金は、きちんと支払う)
④吉本興業=○、芸人=×(ウソをつかず正直に誠意ある対応をとる)
⑤吉本興業=×、芸人=○(立場の弱い者に対して圧力をかけない)

ここで、重要なのは、②と⑤だと思っています。

②は反社会的勢力とのつながりの件、⑤はパワハラ問題の件です。

②も⑤も、どちらも吉本興業がもう少しきちんとしていれば、防げたことなのかもしれません。

・若手の生活の最低保証をする
・パワハラ・隠蔽体質をなんとかする

などなど。

近々、吉本興業側からも記者会見があると言われています。

日大アメフト問題の会見のときのように、泥沼化していかないといいんですが…。

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