コンサルティング現場でよく使う言葉「アンカリング効果」とは?
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ご訪問、ありがとうございます。
突然ですが、ひとつ質問です。
自動販売機でジュースが50円で販売されていたら、あなたはどう感じますか?
安いと思いますか?
それとも高く感じますか?
人それぞれの感じ方ですので、もちろん正解はありません。
ただ、多くの人にとって、安く感じられるのではないでしょうか。
なぜなら、自動販売機で売られているジュースは、100円くらいが相場だと認識しているからです。
このように事前に提示された数字や条件が基準となって、その後の判断が無意識に左右されてしまう現象のことを「アンカリング効果」といいます。
船がいかり(アンカー)を下ろして、そこで固定することが由来となっています。
上記の例だと、100円という固定されたアンカーが基準となって、50円を安く感じることができたのです。
当たり前のように感じますよね。
ただこの効果…マーケティングなどの現場では、結構奥深いんです。
「本日限り9000円」
これもアンカリング効果です。
本日限定の価格ということで、普段は9000円よりも高い10000円で売られてるものだと思い込んでしまいます。
無意識のうちに10000円を基準(アンカー)にさせられているのです。
「1時間遅刻します」
これにもアンカリング効果を適用できます。
例えば、実際30分程度遅刻する場合、
・「1時間遅刻する」といったAさん
・「30分遅刻する」といったBさん
どちらも同じく30分後に到着した場合、印象はどうでしょう。
Aさんは30分も前倒しで到着したので、がんばったように思われます。
逆にBさんは30分遅刻したという記憶しか残りません。
これはAさんがアンカー(基準)を1時間後にずらしたことによります。
「昨日の大阪の新型コロナ新規感染者数は100人でした」
これはどうでしょう。
これもメディアの報道により、アンカリング効果を見て取ることができます。
前日の感染者数が50人であれば、多いように感じますし、過去のピーク時の1000人と比べると少ないように感じます。
諸外国に比べると日本はマシ…と主張している人は、感染の被害が多かった国にアンカー(基準)をかけるように仕向けているのです。
こうなったら、なんでもありですよね。
引っ越し先を選ぶときも、不動産業者は、本命の部屋を最初に案内しませんよね。
まず、条件のあまりよくない部屋をいくつか案内して、アンカー(基準)を固定しつつ、最後に、本命の部屋を案内するのが定石です。
このように、日常にはアンカリング効果があふれかえってます。
目先の数字だけに一喜一憂、まどわされないように、俯瞰的な数字、判断根拠をもつことが重要なのです。
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Re: Anthony 様へ
Anthonyさん、コメントありがとうございます。おっしゃる通りですね(笑)
五輪の場合は、アンカーなどの理屈ではなく、暴走しているようにも見えます。
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