30年以上語り継がれる加藤哲郎伝説…言葉の重み!
▼”加藤哲郎”
この名前を聞いてピンとくるのは、私と同じ年代(47歳)の方でしょうか…。
昨晩、日本シリーズ2020で、ソフトバンクが巨人を圧倒し、3連勝しました。
日本シリーズで一方のチームが3連勝したとき、私はいつも冒頭の加藤哲郎氏のことを思い出します。
そして、マスコミも、ほぼ例外なく、加藤哲郎氏のことを記事にします。
一体、加藤哲郎氏とは何者なのでしょうか?
時は31年前まで遡ります…。
1989年の日本シリーズ。(私は高校生でした。)
この年のセ・リーグを制したのは、読売ジャイアンツ(巨人)でした。
巨人は、斎藤、桑田、槙原の先発3本柱を擁し、安定した戦いぶりでした。
そして、この年のパ・リーグを制したのが、近鉄バッファローズ(現楽天)でした。
パ・リーグはまさに激戦でした。
当時、近鉄バッファローズのライバルだったのは森監督率いる西武ライオンズ。
西武は、投手力が安定しており、打線も秋山、清原、デストラーデが並ぶ常勝球団でした。
この西武を相手に、怪物ブライアントを擁する打力の近鉄が大暴れして、激戦のパ・リーグを制したのです。
激戦が予想されましたが、いざ始まってみると、あれよあれよと近鉄が3連勝。
あっという間に、近鉄が日本一に王手をかけました。
このとき、ヒーローインタビューを受けたのが、当時、近鉄のピッチャーだった加藤哲郎氏でした。
「打たれる気がしなかった」
「シーズンのほうがよっぽどしんどかった。相手も強かったし。」
とても、強気な発言でした。
実際は上記のような発言だったように記憶しています。
しかし、当時のマスコミは「強かった相手」のことを、ライバルだった西武ではなく、パ・リーグの最下位だったロッテだと解釈し、
と誇張表現されていました。(諸説ありますが、こちらの表現のほうが有名!)
この言葉に触発されたのが、巨人(および巨人ファン)でした。
その後、巨人(および巨人ファン)は一体(ワンチーム?)となり、息を吹き返しました。
巨人は、3連敗のあと、一気に4連勝。
見事に巨人が日本一となりました。
”彼が余計なことを言わなければ近鉄は優勝していたかもしれない”
”口は災いの元”
この後、加藤哲郎氏は、バッシングを受けました。
加藤哲郎氏の通算成績は17勝(このうち7勝は大車輪の活躍だった1989年)です。
気迫あふれるすばらしい投手でしたが、プロ野球選手として何十年も語り継がれるほどの成績ではありません。
しかし、あれから30年以上たった現在も、あの言葉だけは、未だに語り継がれています。
ある意味、すごいことですよね。
”記録よりも記憶”
まさに、プロ野球史に名を刻んだといってもよいでしょう。
そして、時を戻して…
2020年の日本シリーズ。
ソフトバンクに令和版の加藤哲郎氏が出現し、巨人が逆転優勝することはないのでしょうか…?
※野球つながりですが…
昨晩、高校野球で常総学院を率いた木内元監督がお亡くなりになりました。
本記事と同じ時代に大活躍した名将です。
心よりお悔やみ申し上げます。